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カンガルーケア 事故 [事件]

カンガルーケアの事故は、ひとつ間違えると大変な事態につながってしまいます。



カンガルーケアの事故で、生まれた長男が障害を負ったと、桶川市の両親が自治医科大学付属さいたま医療センターに対して訴訟を起こしました。

訴状などによると、長男は昨年5月13日に誕生しました。

すでに羊水異常による低酸素血症の疑いがあったのですが、
カンガルーケアによる事故が起きたのは、助産師が母親の胸に乳児を抱かせるカンガルーケアをさせたまま病室を去ってからのこと。

カンガルーケアをさせた助産師は約40分後に戻ったものの、長男は心肺が停止していました。
応急措置で一命はとりとめたものの、目が見えなくなるなどの後遺症が残ってしまったのです。

カンガルーケアの事故が起きた原因を、原告側は

「羊水に異常があった場合、カンガルーケアは適さないことが医療センターのマタニティーブックに記載されていた」

と指摘しました。

母親に対する十分な説明や母子の経過の観察を病院が怠ったとしています。

国についても、「危険性を指摘する研究会の報告があったのに、カンガルーケアを促進するガイドにそれを記載しなかった」ことを過失だと主張しています。


カンガルーケアとは、生まれたばかりの赤ん坊を母親に抱かせる保育法です。

母子の肌を直接触れ合うように縦抱きにし、その上から衣服でくるみます。父親が行っても構わないようです。

カンガルーケアは保育器不足を補うため発展途上国で行われていましたが、新生児の呼吸が安定する、母乳の分泌が促進される、母子の絆が深まるなどの効果があるとして世界各国に広まりました。

一方、カンガルーケアは重大な事故の原因になるとして危険性も指摘されています。

ある医師はカンガルーケアの最中に急変した赤ちゃんの緊急搬送を何回か経験したといいます。

生まれた時は元気でしたが、分娩は胎児の心音が下がって胎児仮死と呼ばれる状態になりました。

当時、その医師の病院もすでに分娩室でのカンガルーケアを実施していましたが、分娩中に異常が起きた赤ちゃんは医療処置を優先し、カンガルーケアを行いませんでした。

その後、『カンガルーケア危険防止についての申し合わせをして、カンガルーケアの最中にはお母さんと赤ちゃんから目を離さないようにしなければ、と確認したそうです。

しかし、最初に搬送されてきた赤ちゃんの場合、異変に最初に気づいたのはお母さんでした。その時、助産師さんは赤ちゃんのそばを離れていたそうです。

この赤ちゃんは、命は助かりましたが、呼びかけても反応がない状態が続いているといいます。


こうしたカンガルーケアの事故を踏まえて調査したところ、するとカンガルーケアの最中に急変した赤ちゃんが14人報告され、全国12か所の集中治療室に収容されていたそうです。

このうち2例は亡くなり、植物状態になった赤ちゃんは7例ありました。医療訴訟など医療側が責任を問われた例も、和解も含めると4例あったそうです。


カンガルーケアは母子の絆を強くするための大切な方法ですが、絆を切ってしまうことにもなりかねません。
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